ヒットのヒント マクドナルド創業者の、「WIN-WIN」セールスとは?

レイ・クロックの名前は知らなくても、

ハンバーガーチェーンの「マクドナルド」を知らない人はいないでしょう。

彼は、その創業者です。

(マクドナルド兄弟にフランチャイズ事業を持ちかけたのですが、消極的だったので

自分で興すことにしたのです)

それ以前、クロックはもともとナイトクラブでピアノの弾き語りをしながら、

昼間は紙コップの販売をしていたのですが

ナイトクラブが閉店になったため、

紙コップ販売で、生計を立てざるを得なくなりました。

 

このクロックが生まれ育ったイリノイ州シカゴに、

「ウォルグリーン」というドラッグストアの本社があります。

その本社の隣に、ソーダ・ファウンテンという炭酸飲料を販売しているカフェがありました。

 

当時、炭酸水は、食欲増進効果があると信じられていました。

炭酸が「胃腸を刺激」し、ゲップに「胃を活性化」する作用があると思われていたのです。

飲みやすいよう、シロップで味付けをするのですが、

このシロップは、ウォルグリーンなどのドラッグストアでも扱っているので、

ドラッグストア内に併設されていることもありました。

 

さて、このカフェでは、ソーダファウンテンにはガラスのコップを使っていました。

クロックはカフェの経営者・マクナマラに、

「あなたの店のお客は、ほとんどがウォルグリーンの社員だ。

もし、売り上げをもっと伸ばしたいなら、ガラスのコップを紙コップに代えてみたまえ。

使い捨ての紙コップなら、テイクアウトのお客が増え、売り上げがもっと上がるだろう。」

と持ちかけます。

しかし、洗って繰り返し使えるガラスのコップより、使い捨ての紙コップはコストがかかります。

煮え切らないマクナマラに対し、300個もの紙コップを無償提供することで

テスト販売にこぎつけると、大成功。売り上げを大いに伸ばしました。

 

さて、クロックとしては、さらにこの紙コップの売り上げを伸ばしたいところですが

ウォルグリーンの社員は限られているので、このままでは爆発的な売り上げ増は見込めません。

しかし、彼には「秘策」があったのです。

 

さて、ここで問題です。

 

クロックは、どうやって、紙コップの売り上げを伸ばしたのでしょうか。

今月も、1分間だけ、考えてみてください。

 

 

 

紙コップ

 

 

答えは、

「新たに、ウォルグリーン本社の仕入部門へ、紙コップを卸す契約を交わした」

でした。

 

ソーダファウンテンは、ドラッグストアの一角でも売られています。

ウォルグリーン側も、マクナマラの成功例を見ていましたから、交渉が成立。

こうして、ウォルグリーンが新店舗を展開するたびに、紙コップが売れる、

というわけです。

クロックはこの後、大企業を中心にセールスを展開し、ミルクシェイク事業などを経て

マクドナルド兄弟からハンバーガー店の経営権を買取り、

一大フランチャイズに育て上げました。

 

今のエピソードでも分かるように、彼のビジネスのポイントは

・クライアントのメリットにとことんこだわる。

・そのためなら、費用もすすんで負担する。(クライアントのリスクを軽減する)

・成長する企業と付き合う。

・長期的な関係維持に努める。

ということです。

もちろん、その背景には、「自分のビジネスに絶対的な自信と誇りがある」からこそだと思います。

ただ、人は、知らず知らずのうちに自分の利害を優先しがちです。

その点、クロックは、サプライヤーとの契約には厳しかったようですが、

一度契約したら、途中で値切ることはしませんでしたし、

同業他社が、高い契約料や儲けの大きい機器設備や食材を半ば強制的に売るのとは

全く逆の方針を示し、今日の繁栄を築き上げました。

今でこそ「WIN-WINの関係構築」という言葉は、よく耳にしますが、

クロックは、それを60年以上も前に、自ら実践していたのです。

(2014/12/20)

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