ヒットのヒント「町のクリーニング屋さん、レースチームのスポンサーになる!」

あなたは最近、どのくらいクリーニング屋さんに洗濯を依頼しますか?

 

ご多分に漏れず、「クリーニング業界」は、業績が下がっており、厳しい業況にあります。

主な理由として

・家庭用洗濯機やコインランドリーが普及し、ウールなども洗濯できるようになった

・クリーニング代が高い

・持ち込んだり、引き取りに行く手間が面倒

といった、「大抵の洗濯物が、”自前”で何とかできる」という

状況になったことなどが挙げられ、

さらに、業者間の競合も激しくなって、利益が出しにくい構造になってきています。

 

しかしこうした中、今日ご紹介する有限会社リリーズ・カンパニーさんは

「男前クリーニング」というクリーニング・ブランドで急成長され、

今では取扱店が100を超えています。

 

この会社ですが、何とレーシング・チームのスポンサーもされています。

それも、「Team Le Mans(チームルマン)」という、

御殿場に本拠がある、本格的なフォーミュラチームのオフィシャルスポンサーです。

しかも、社長・広井修さんによると、資金的援助をするスポンサーではないそうです。

「高度なクリーニング技術を提供する」スポンサーなのです。

 

ここで、今回の問題です。

「クリーニング」と「レース」 この一見、とくに際立った接点がないような関係ですが

この提携話が成立した背景には、チーム側に「高度なクリーニング技術」が必要な

「ある特別な事情」があったのです。

さて、その「ある特別な事情」とは、何だったのでしょう?

 

今回も、答えを見る前に、1分間だけ考えてください。

(新潟市内にある㈲リリーズ・カンパニーさんの本社:サイトより転載)

この小さな(失礼)お店から、ビッグなビジネスが発信されている! pic1

(問題の答えはもう少し先です)↓

答えは、

「(レーシングスーツなどについている)スポンサーロゴにつく汚れを、完璧に取りたかった」

です。

 

レーシングスーツ、スタッフジャンパーなどには、 そのチームのスポンサー企業の名前が

プリントや、刺繍、ワッペンなど いろいろな形で表示されていますね。

 

あなたがもし、スポンサーの立場になったとして、 チームがレース会場に登場したとき、

レーサー、スタッフのウエアが汚れたままだったら、どう思うでしょうか?

まして、自社のロゴが汚れたままだったら、どう思うでしょうか?

答えは、明白でしょう。

 

企業のロゴ、マークは、その会社の「顔」です。

「大切に扱われていない」と思われたら、もういけません。

最悪、スポンサー契約を打ち切られる可能性だってあります。

ですから、チーム側は、 「スポンサーロゴをキレイにする」ことに、とても気を遣います。

 

しかし、一口に「キレイにする」と言っても、簡単にはいきません。

レースという過酷な状況では、雨、泥、汗、血液などの自然物だけでなく、

油、ケミカル化合物などの人工物といった、

日常生活ではありえない、いろいろな「汚れ」がつきます。

 

これらの汚れを除去し、新品のようにキレイにするには、様々なノウハウが必要です。

スポンサーロゴは、(先ほど述べたように)プリント、刺繍、ワッペンなど

いろいろな方法で表示されていますので、クリーニング方法も変わってきます。

また、これも大事なことですが、ウエアの素材を痛めてしまってはいけません。

特に素材の劣化は、場合によっては命に関わる問題です。

さらに、コストも問題です。

レースには、それでなくても非常にコストがかかります。

いかにキレイになるからといっても、使えるお金には限度があります。

高すぎては続けられません。

 

そこで、今回のお話が実現しました。

チーム側は、リリーズ・カンパニーさんとスポンサー契約することで

長年の悩みだった「高い技術を持ったクリーニング先を、いかに確保するか」

という問題を解決しただけでなく、

「スポンサーになってもらうことで、コストを最小限に抑えられる」

というメリットも、同時に得たのです。

 

一方、リリーズ・カンパニーさんにも、以下のようなメリットがありました。

・チームのスポンサーになることで、会社がメジャーな存在になった。

・レースという過酷な条件で、自社のクリーニング技術を研鑽する事ができるようになった。

・レースという過酷な条件で、自社のクリーニング技術の高さをPRできた。

・他社が簡単に進出できない、独自分野の開拓ができた。

 

近年、リリーズ・カンパニーさんは「メークウイナー(MAKE WINNER)」という別会社を設立し、

レーシングスーツクリーニングから派生して、

スポーツ全般にわたる商品やサービスを提供されています。

その中で、「クリーン」というキーワードは、実は勝負する上での重要な「カギ」になっている事が

次々に判明していきます。

 

サイトから、実例をあげてみましょう。

・「ウエアや器具のイヤな悪臭がなくなり、試合に集中できるようになった」

・「(レーシングスーツにつける)コンディショナーを変えたら、素材が新品並に柔らかくなり、

体が動かしやすくなった」

・「クリーニングで清潔になり、ケガが化膿することが少なくなった(プロレスのマットの話だそうです!)」

 

スポーツをやっておられた方、こうした事で困った事がありませんでしたか?

元来、スポーツ界では、(「ちょっとした」汚れやニオイを)我慢しないといけない、

という気風が良くも悪くもありました。(今もありますね)

それはそれで、正しいと思います。

しかし、先の例でもわかるように、選手やチームは常に汚れやニオイの問題に直面しており、

そういった意味で、スポーツ界は「”ソリューション(問題解決)”のタネの宝庫」である、と思います。

 

「メークウイナー」さんが提案しているのは、

「問題そのものをなくして、”勝負そのもの”に集中しましょう」

という、新しい考え方だと思います。

 

今後、この分野の独占状態が続くのか、はたまた他社の参入があるのか、

今の我々には判断できませんが、

少なくとも、かなり「技術力の高さが求められる」市場だと思います。

 

その意味においても、リリーズ・カンパニーさんとそのグループ企業は

これからも、この分野をリードする存在である、と思います。

今回はご紹介できませんでしたが、「男前クリーニング」や「衣類のお医者さん」といった

独自の商品やサービスで、この会社は取り扱いを広げておられ

間違いなく、イノベーター(革新者)的な社風の会社です。

 

こうした会社が、高い技術力を維持、開発しつつ

しかも、新しい市場で「結果を出せている」事実があるのは

我々も、大いに勇気づけられる事だと思いました。

(2014.7.22)

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