ヒットのヒント 餃子の王将 「○○フェア」をする「もう一つの大事な意味」とは?

「餃子の王将チェーン(以下「王将」さん)は、1960年代後半に京都で開業しました。

ボリューム満点のメニューは種類も多く、お値段もお手頃で、今もファンを増やし続けています。

「大東前社長が凶弾に斃れる」という不幸な事件もありましたが

事件のあった日も各店舗は平常通り営業され、その心意気が、多くの人を「感激」させました。

今も、渡辺新社長のもと、スタッフ一丸となって、日夜頑張っておられます。

 

さて、問題です。

「王将」さんでは、「○○フェア」というサービスメニューを期間限定で展開しています。

こういうキャンペーン自体は外食産業に限らず、よくあることで、

普通、目的としては、

・客寄せの目玉商品を設定することで、集客力を上げる

・フェアの料理は薄利にしても、合わせて注文される料理で利益を増やす

・料理やお店自体に対する、お客様の認知度を高める

ということが考えられるのですが、

「王将」さんの場合、加えて「もう一つの大事な意味」があるというのです。

さて、「もう一つの大事な意味」とはなんでしょう?

 

投稿日(2014年8月25日)時点で開催中の

「極王天津飯」フェア(西日本版)」をご覧になりながら、

「1分間だけ」考えてみてください。

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その答えは

 

「各店舗でのフェア商品の調理の機会を増やし、技術の維持・向上を図るため」

 

でした。

 

短期間に何回も同じ調理をすることで、「経験」「改善」ができ、

各店でノウハウが蓄積できるわけですね。

それらは他の店員に「継承」「共有」することもできます。

しかしそれは、「集中的に同じ注文がくる」という前提があってこそのものです。

「王将」さんでは「○○フェア」のメニューを頻繁に更新することによって

数多くあるメニューの、調理技術の維持・向上をしているのです。

 

普通、大型レストランやチェーン展開している飲食業では、「セントラルキッチン方式」を採用しています。

営業店舗と別に、調理の専用施設を用意し、「食材仕入」「下拵え・調理」「各店舗への配送」を

集中的・大量に行う方式です。

コストダウンや作業効率化が図れ、味や品質も、一定に管理することができます。

わかりやすい例は「マクドナルド」さんです。

店舗で「できること」は「温め直す」「移し替える」「盛り付ける」などかなり限定され

レシピもきっちり構築されています。

つまり個人差が出る「プロ技」は極力排除し

「どこの店舗でも、誰が作っても、同じ味」を目指しています。

 

「王将」さんの考え方は、少し違いました。

実は「王将」さんも、「セントラルキッチン方式」も使っていますし

一時期は、その料理が多かったのですが、

今は、食材の下拵えなど、種類を限定しているそうです。

 

それを決めたのは

「(どこの店でも同じ味になるのは)王将らしくない」という、他ならぬ「お客様」からの声でした。

学生街なら学生向けに、オフィス街ならサラリーマン向けに、というような

それぞれの地域に合った、「お店づくり」をしてほしい、と。

 

その願いに応え、「王将」さんは、かなりの部分を各店舗の裁量に任せています。

ですから、お店によって、同じ料理でも味付けが違ったり、

○○店限定メニュー」や「独自のセットメニュー」が数多く存在します。

(皆さんの中にも「○○店の○○メニューが好き!」という「こだわり」のある方、多いのでは・・・)

 

つまり、「王将」さんは

・お客様は、各店舗の「個性」に大きな「価値」を見出していただいている。

・従って、各店舗による味の違いすら、「個性」と感じており、「自分ごのみの王将」探しを「楽しみ」にされている。

・その各店舗の「個性」を伸ばすためには、「調理技術」の維持・向上が不可欠。

・「調理技術」の維持・向上には、多くの「経験」をさせるのが一番。

・「経験」を積ませるために、どんどん「フェア」を展開し、その機会をつくるのが本部の役割

という過程を経て、現在に至ったのではないでしょうか。

「セントラルキッチン」方式のメリットを犠牲にしても、各店舗という「現場」力を上げたことが

会社全体の活性化につながっています。

 

我々の周囲でも、「この人しか知らない」「この人しか出来ない」物事というのが、多数あります。

それはある程度、やむを得ないことですが、

お互いに「知らない」「伝える機会がない」もどかしさが、いつもついてまわります。

やはり、こうした機会づくりを「出来うる限り続ける姿勢こそ、重要」

「王将」さんの取り組みは、そう感じさせてくれます。

(2014.8.25)

 

*東日本でも同様のフェアをされていますが、一部内容が異なります。

また、一部実施していない店舗もありますので、必ず各店舗様でご確認ください

*画像使用に関しては、王将フードサービス様に特別のご許可を得て掲載しています。

この画像の全部、又は一部を、そのまま若しくは改変して転用することは

絶対におやめください。

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