ヒットのヒント~「無謀」で伸ばす「ダメもと」交渉術

アップルコンピュータの創業者、

スティーブ・ジョブス(以下「ジョブズ」)がまだ学生の頃のエピソードです。

あるとき、ジョブズは周波数カウンターを作ろうとしましたが、

そのためにはヒューレット・パッカード社(以下「HP」)の

大変高価な部品が必要でした。

もちろん、当時のジョブスに、すんなりと部品を買う余裕はありません。

 

さあ、あなただったら、どうしますか?

え、もうあきらめる?

あきらめないで、今回も、1分間だけ考えてください

 

iPadとメガネ

 

 

 

 

正解はなんと

「HPのトップに直接電話をかけて、部品を貰った」

でした。

実話です。

 

当時の電話帳には、ほとんど全ての人の電話番号が載っていました。

そこでジョブズは、HPの創業者ウィリアム・ヒューレット(以下「ビル」)に

直接電話をかけて直談判し、高価な部品を貰う約束をとりつけたのです。

なんと、ビルは部品を提供する約束をしただけでなく、

夏休みにHPの支社でアルバイトをしないか、と誘ってくれたそうですから、

かなり、好意を持ってくれたことがわかります。

 

ひるがえって、あなたはどんな「方法」を考えたでしょうか?

「貯金して部品を買う」「電器店で値下げの交渉をする」「他の物をつくることにする」・・・。

無難な考えですね。でも「部品を手に入れる」という目的に対しては

ジョブズには到底、かないません。

 

ジョブズのとった行動は一見、無謀な申し出です。

しかし冷静に考えてみればみるほど、彼のとった行動は実に、「有効」と言えるのです。

 

ジョブズとビルとは、過去にあったこともなく、なんの利害関係もないですから、

断られたところで、損をするのはせいぜい、ジョブズがかけた電話代くらいです。

逆にビルは企業のトップですから、部品のひとつやふたつ、どうにでもできるのです。

しかもトップ中のトップです。一度指示が出されたら、社内伝達もスムーズだったでしょう。

つまり、ほかのどの方法よりも、早く手に入れる事もありうるのです。

そのためには、とにかく、最初が肝心。

何よりもまず、交渉相手であるビルを、何の面識もないジョブズが

いかにして気に入ってもらえるようにできるかが、非常に重要になってきます。

ジョブズはそこに全精力を傾け、ビルの信頼を勝ち取ることができました。

ビルは「この若者は本当に厚かましい奴だ。しかし、情熱も、見所もある。」

と思ったに違いありません。

 

さて、我々はジョブズになれるのか?

問題はそこですよね。

ジョブズにはまず「物怖じしない性格」がありました。

常識にとらわれず、人の評判も気にせず、それが最善と思う方法を、躊躇せず選ぶことができたのです。

なおかつ、実に冷静に「誰に交渉すればベストの結果が出せるのか?」を嗅ぎわけることができました。

ある意味、天性のものだったのです。

 

逆に我々は、無意識の内に「分相応」な範疇で行動する、無難な選択を取りがちです。

今回のケースにしても、もしこのアイディアを思いついたとして、実行できるでしょうか?

「一学生の立場で、会社のトップに直接お願いするなんて、失礼ではないだろうか?」

こう考えて自らあきらめてしまうのが、まあ、普通の人々の態度ではないでしょうか。

 

ですが我々も、時々はこのジョブズのエピソードを思い出して

「自分の範疇を超えた」「最も効率的な」方法がないか、考えてみましょう。

そしてたまには、いつもの自分を捨て、ジョブズになったつもりで、

「無謀な」行動を起こしてみませんか?

そこまで行けば正に「ダメもと」なのですから。

 

実際このエピソードは、ジョブズの、その後の人生を象徴するような出来事でした。

このような「無謀さ」が、彼の、そして彼のビジネスの、持ち味となっていくのです。

その中では成功、失敗、いろいろな出来事がありましたが

彼はどんな事も、次へのステップとして生かしていきました。

 

それは、具体的にはどんなことだったのか?

それについてはまた、別の機会にご紹介しましょう。

今月も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(2014.10.20)

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